Quantcast
Channel: リサーチセンター
Viewing all articles
Browse latest Browse all 15

三重大学マトリックスバイオロジー研究センター詳細(27.07.10修正)

$
0
0
センター
三重大学マトリックスバイオロジー研究センター
詳細

【構成研究者】
 三重大学大学院医学系研究科 准教授 今中 恭子
 三重大学大学院医学系研究科 教授 吉田 利通
 三重大学大学院医学系研究科 教授 鈴木 秀謙
 三重大学大学院医学系研究科 教授 長谷川正裕
 三重大学大学院医学系研究科 講師 明田 浩司
 三重大学大学院医学系研究科 講師 当麻 直樹
 三重大学大学院医学系研究科 助教 俵    功
 三重大学大学院医学系研究科 教授 伊佐地秀司
 三重大学大学院医学系研究科 教授 佐久間 肇
 三重大学大学院医学系研究科 教授 野本 由人
 三重大学大学院医学系研究科 客員教授 廣江 道昭
 三重大学大学院工学研究科 准教授 宮本 啓一

【認定期間】
 平成27年8月1日~平成32年1月31日

【連絡先】
 三重大学大学院医学系研究科 准教授 今中 恭子
 〒514-8507 津市江戸橋2-174
 電話:059-231-5009
 FAX:059-231-5009
 Eメール:imanaka@doc.medic.mie-u.ac.jp

【研究の背景、ニーズ及び目的】
 (1)研究の背景
 生体組織は、何種類もの細胞と細胞の外にあってつなぎの役割をしている細胞外マトリックスから構成される。細胞外マトリックスは、単に細胞と細胞の間の隙間をうめる詰め物ではなく、周囲の細胞に種々の反応の足場を提供し、機能に強い影響を与え、生体機能の維持に関わり、組織の再生修復を制御する。本研究センターでは、これまで、心筋梗塞、心不全、くも膜下出血、動脈瘤、変形性関節症など種々の疾患の病態を解析し、多くの細胞外マトリックス分子のうちいくつかは、特に強い生理機能を持って胎児期の形態形成、病変の進行と組織修復制御の鍵をにぎり、その分子機能を利用することにより、新しい病態診断法と治療法の開発が可能であることを明らかにした。
 (2)研究のニーズ
 生体組織は、組織傷害に対して、損傷した組織を炎症反応によって除去し、欠損部を再生あるいは修復する機構を備えている。ところが、心・脳血管疾患、骨・軟骨疾患、移植後拒絶などほとんどの慢性疾患や癌では、持続する過剰な炎症と不完全かつ不適切な修復、再生により、組織の機能破綻や破壊をきたす。従って、病変の活動性、進行性を的確にモニターし、修復過程を自在に制御して組織の完全な修復、再生を誘導することこそが究極の治療法である。最近の iPS 細胞ならびにその関連分野に関する生物学研究のめざましい進歩は、再生医療の展開に大きな可能性をもたらした。しかし、多くの研究者が指摘しているとおり、再生医療の実現には、細胞だけでなく細胞をとりまく微小環境を整えることが必要である。細胞外環境の主要な構成分子である細胞外マトリックス分子を、支持体である生体材料と組み合わせて正しく配置・供給することにより、必要な生理活性を引き出し、細胞をうまく働かせることができれば、望ましい修復再生誘導が可能になろう。さらに、培養系で組織様構造物を形成することも可能となり、複雑な生体内での細胞反応を単純化しつつ生体内に近い状態で評価することができ、基礎生物医学研究、創薬研究をふくむ応用医学の飛躍的な発展に貢献できる。
 (3)研究の目的
 基礎生物学医学、臨床医学および材料工学を融合し、細胞外マトリックスの分子機能に関する基礎研究によって得られた成果に基づいて、非侵襲的で経済的な診断法、革新的かつ現実的な治療方法の開発を目指す。

【研究内容及び期待される研究成果】
 当センターでは、細胞外マトリックス分子のなかでも、強い生物活性を持ち組織構築改変を制御する分子群matricellularタンパクのうち特にテネイシンCに注目し、多彩な機能の一端を明らかにするとともに、その特異的な発現様式と機能を利用した診断、治療法の開発を試み、多くの成果を上げてきた。それをさらに発展させ、分子機能解析、診断、治療の3つの観点から研究を行う。
 分子の機能解析:遺伝子改変動物を用いて疾患モデルを作成し、病態解析、診断シミュレ ーションを行うとともに、培養細胞、リコンビナントタンパク、抗体を用いて、組織発生、創傷治癒、組織再生、血管新生、線維症、癌微小環境におけるマトリックス分子の機能を明らかにする。
 診断:当センター平成27−32年の活動計画の中核をなし、新規診断バイオマーカーの開発と分子イメージング法の開発をめざす。我々が企業と共同して開発したテネイシン C 測定ELISA キットは、現在、研究レベルでは世界標準キットとして使われ、癌,炎症生疾患などで病態診断マーカーとしての有用性が検証されつつある。これを検査薬として実用化し、体外診断用医薬品として承認を得る。さらに、対象疾患を臓器移植後拒絶、放射線による傷害などにも拡大する。また、我々は、抗テネイシン C抗体を用いた炎症病巣のSPECT撮像にすでに霊長類で成功しているが、その技術を基盤として、企業と共同で次世代分子イメージング法の開発,実用化を目指す。
 治療:マトリックス分子と生体材料を組み合わせた治療用デバイスを開発し、実用化を目指す。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 15

Trending Articles